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アッパレ!

我が家のすぐ北 森の中に駐車場がある。

かつてCALスタジオ(東映生田スタジオ・あの仮面ライダーを撮影した場所)の跡地である。

我が家の前の電柱には 未だに「東映支 21」なるプレートが貼ってある。

この辺は 山・山 坂・坂 狭い道・狭い道 ばかりなので自宅に駐車場を作れない人が多い。

2台目 3台目となればなおさらである。

この駐車場に 赤い車があった。(結構前からだ)

乗っているのは すらりとした美青年。

家の前を ボボボ・ボー ボボボ となかなかに良いサウンドのマフラー音で走り抜け

顔を合わせると しっかり手を挙げ ニッコリ。

話はしなかったが 気持ちの良い挨拶だけの付き合いだった。

もう1カ月になるだろうか

毎朝 駐車場からカンカン コンコン音がする。

赤い車は ボボボの姿はなく コンコンになっていたのだ。

私同様 昔ラリーをやっていたという斜め向かいの人と冷たいドリンクの差し入れを持って お邪魔した。

「頑張ってるねぇ」

「いえ どうもお騒がせしています」

彼は われわれの公道とは異なり サーキットでレースをやっているとか

「えっ!? この車で!?」

 ・・・・・ どうみてもポンコツである。

「廃車寸前の車を手に入れて 手直して サーキットで走らせたんですよ」

「 ・・・・ 」

「走れればいいんです。 走るのが好きなんです」

「しかし 今回は随分と大掛かりだねぇ~」

「ええ かなり大変です。 でも大丈夫 なんとか走れるようにしますよ」

「すごいなぁ~ やろうって気力に拍手だね。 絶対走らせろよな」

「はい ありがとうございます」

座席には 小柄な女の子。

何やら顔をうずめて一生懸命になっている。

「熱中症になるなよ またね」

汗だくの女の子は 手を休めず ニッコリ会釈した。
アッパレ!_e0093537_21244386.jpg

by jam909jam | 2011-07-04 21:24 | ◆Photo note / スケッチ
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